古代、国家の基礎が築かれ、日本のはじま…
古代、国家の基礎が築かれ、日本のはじまりの地とされる明日香村。多くの文化が芽吹いたころとさほど変わらぬ風景が今も残り、訪れるたびに懐かしさを感じる。
その明日香村と橿原、桜井両市が県とともに世界遺産登録を目指す「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」。極彩色壁画が見つかった高松塚古墳やキトラ古墳、国内初の本格都城・藤原京跡をはじめ20資産で構成される。
国は4日、ユネスコへの世界遺産候補の推薦を本年度は行わないと表明した。有力視されていた飛鳥・藤原に関しては「登録に必要な保護措置が十分ではない」と指摘した。
確かに藤原宮跡で一部史跡未指定の部分が残る。さらに構成資産が埋蔵文化財が中心であり、目に見える形でアピールしにくい弱みもある。
ただ、ライバルの彦根城は時間がかかる事前評価での申請が示され、飛鳥・藤原が優先されたといえる。県は目標を2025年から26年に変更し登録を目指す。
飛鳥・藤原の価値は東アジア全体の歴史上でも高い。そのことを世界にアピールするためにも世界遺産登録は有効だろう。(法)