五輪の柔道男子73キロ級で連覇した大野…
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五輪の柔道男子73キロ級で連覇した大野将平選手が、来年のパリ五輪出場断念を発表した。英国で2年間、指導者研修に参加するという。
大野選手は2月に奈良市で開かれた、柔道家の野村忠宏さんプロデュースの小中学生対象の柔道イベントにゲスト参加。技の基本などを直接触れ合いつつ伝授した。
催しの底流にあったのは柔道を楽しむこと。真剣な中にも笑顔が見られ、自ら進んでうまくなろうとする姿に、子どもたちが柔道を一層好きになったのが見て取れた。
スポーツ界では、特に若年層での度を越えた勝利至上主義が見直され始めている。ゆるい部活の広がりや小学生の全国大会のあり方の再考、少年スポーツ団体のトップ人事などからもうかがえる。
自分の意思で厳しさの中に身を置き、勝利を目指すのも大切な一面だ。ただスポーツの原点はやはり楽しむことだろう。好きにならないと万事続かない。
前述の催しなど、県ゆかりのアスリートがスポーツを楽しむ心のすそ野を広げてくれているのは何だかうれしく、誇らしい。帰国後の大野選手の柔道人生にも興味が高まる。(智)