京奈和自転車道と京奈和自動車道。1文字違いだが車輪の数が倍違う。19日付本紙トップの「県内75キロ全通」の見出しに「おっ」と思われた読者もいるのではないか。

　県が平成27年度から事業を進めてきた広域サイクリングコース「京奈和自転車道」の県内区間が全通した。「何だ自転車か」と言うなかれ。京都、奈良、和歌山をつなぐコースは全長約180キロもあり、県内の事業完了で全ルートがつながった。

　サイクリングの聖地といわれる瀬戸内のしまなみ海道が潮風を楽しむサイクリングなら、こちらは文化の薫りを楽しむコースと言えそうだ。全長は京奈和が3倍も長い。

　荒井正吾知事は「自転車は県内各地の名所旧跡を巡るのに最適」とし、関西でサイクリストに人気の琵琶湖や淡路島をつなぐコースとして期待する。

　1カ月後の5月22日はサイクリングの日。その前にはゴールデンウイークもある。

　コロナ禍で県外への遠出は控えたいが、京奈和自転車道は県内だけで75キロ。普段見慣れた風景も、自転車なら新たな発見があるかもしれない。自転車保険の加入もお忘れなく。(増)