国原譜

「老後2000万円」問題が、にわかに関…

 「老後2000万円」問題が、にわかに関心を集めている。「95歳まで生きるには夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)で2000万円の蓄えが必要」と試算した金融庁金融審議会の報告書のことだ。

 この報告書については、野党だけでなく与党内からも批判が噴出。11日には麻生金融担当相が、正式な報告書としては受け取らない意向を表明する異例の展開となっている。

 人生の段階別に資産運用や管理の心構えを説き、運用方法として「つみたてNISA」など具体的な例を挙げている。「老後は投資をして自助努力で…」と言わんばかりの内容だ。

 投資などとは無縁の暮らしをする高齢者には、寝耳に水のこと。大事な資産を投資に回せば、景気回復にもつながる―とでも言いたいのか。またもや、政権への「忖度」を感じてしまった。

 政権にとっては参院選を控えてマイナスの材料を早く消しておきたいとの思いがこもり、「なかったことに」さえしたいようだ。野党には、またとない批判材料が、ころがりこんだ形だ。

 だが果たして、選挙の争点になりうるのか、否か。(恵)

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