国原譜

まさに断腸の思いだったことだろう。平成…

 まさに断腸の思いだったことだろう。平成の大横綱・貴乃花親方が、日本相撲協会に退職届を提出した。会見で無念さが伝わってきた。

 弟子の傷害事件で告発状を提出したが、その内容を巡って協会側が「事実無根」と結論付けたことに、親方は最後まで「事実である」との信念から、この事態となった。

 一時は協会ナンバー3の地位にいた親方だったが、この問題で、理事から5階級も降格し、最下級の年寄になった。いわば「ヒラ」にまで下がった。

 それでも弟子の指導や審判など「一兵卒となって粛々と務めてきた」という。こうしたなかで、「告発状が事実無根だったことを認めなければ廃業も」という、有形無形の圧力があったという。

 弟子たちが相撲をできない状況にまで追い込まれ、それでも真実を曲げることはできないとして自身が身を引く結論となった。筋を通す貴乃花の真骨頂を見る。

 相撲発祥の地・奈良だからこそ、相撲道を追い求める貴乃花親方に拍手を送りたい。どんな圧力があっても真実を曲げることはできない。新聞も同じと、会見を見て思う。(治)

 

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