国原譜

職業として捉えるなら、社会的な地位と安…

 職業として捉えるなら、社会的な地位と安定感のバランスがこれほど悪い仕事もないだろう。4年1度の選挙で落選すれば、前日までの地位も報酬も泡と化す。

 昔から選挙で必要なものは「地盤」「看板」「かばん」(資金)といわれるが、三つともなさそうな新人が、政党の波に乗ってトップ当選を果たすこともある。

 最近は下克上の選挙が増えたように思うのだが、地方議員になりたい人は減っているという。共同通信社のアンケートでは、現職議長の52%がなり手不足を感じていた。

 今後取るべき対応として最も多かったのが報酬の引き上げ。実入りが多ければ若手候補者が増えるとの期待がある。議員の厚生年金加入を認める改革にも、半数の議長が賛成した。

 安定を求めるなら、選挙の間隔を8年に延ばせばもっと効果的だろう。だが、地方政治に対する関心が薄れ、議員にやりがいを見いだす人が減ったことにこそ、根本的な問題がある。

 議員のサラリーマン化が強まるなら、その仕事ぶりにもさらに厳しい目が向けられるべきだろう。報酬アップの議論はそれからだ。(増)

 

特集記事

人気記事

  • ならリビング.com
  • GOOD INNOVATION LAB コピーライター講座
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 47CLUB
  • 特選ホームページガイド