夏の全国高校野球の100回記念大会は、大阪桐蔭の2度目の春夏連覇で終わった。県代表の奈良大付も甲子園初勝利を挙げ、最後まであきらめない闘いぶりが光った。

　今回「甲子園ロス」を心配していないのは、ジャカルタでアジア大会が開催中だから。今年は冬季五輪、サッカーW杯もあり、スポーツ好きには観戦の当たり年だ。

　そんな折、アジア大会のバスケットボール男子代表4選手が現地で買春し、帰国させられた出来事には心底がっかりした。当該競技の試合が残る中でもあり、応援心に冷や水を浴びせられた思いだ。

　今年はさまざまな競技で、閉塞した組織状況などに起因する不祥事が発覚した。今回の件は時代錯誤とは少々異なるが、各方面の士気を下げ、魅力を摘み取る点では同列だろう。

　選手に必要以上に高い人間性を求めはしない。ただドーピング同様、選手の背後にルール逸脱の行いが透けて見えるようでは、やんちゃの度が過ぎる。

　スポーツは競技そのものから感銘を受けるもの。だが、選手の競技に対する思い、姿勢が感動を増幅させることも否めない。(智)