地域別男女の格差

国原譜

中将姫は奈良時代の貴族・藤原豊成の娘とさ…

中将姫は奈良時代の貴族・藤原豊成の娘とされる。5歳のときに実母が亡くなり、継母に疎まれたために当麻寺で出家した。

 姫の願いで阿弥陀如来と観音菩薩の化身が、ハスの糸を使って一夜で織り上げたとされるのが「綴織(つづれおり)当麻曼荼羅(まんだら)」(国宝)。縦横約4メートルの巨大な織物で姫が旅立った阿弥陀浄土を描く。ただ、伝説とは違い、製作地は中国・唐が有力だ。

 綴織は緯(よこ)糸に色糸を使い、下絵に合わせて経(たて)糸をはめ込んでゆく織物。古代に作られたものは、ほとんど残っていない。

 この曼荼羅を京都市の織物メーカーが部分復元模造した。綴織は非常に高度な技法で、熟練の職人でも縦横約20センチを復元するのに40日間要した。

 曼荼羅全体を完成させるには、製織作業だけでものべ1万日、4人の職人が並んで協働で織っても8年間かかるという。古人の技術の高さと、信仰の深さを改めて感じさせる。

 修復が終わった曼荼羅の原本と、その部分復元模造品は、奈良国立博物館の特別展「糸のみほとけ―国宝 當麻曼荼羅と繍仏」で展示されている。(法)

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