国原譜

公園での虫取りを楽しみにしていた子ども…

 公園での虫取りを楽しみにしていた子どもも多かっただろう。先生にはそれに応えたい気持ちもあったかもしれない。しかし、楽しいはずの校外学習は、児童1人の命を奪う結果となった。

 愛知県豊田市の小学校で、校外学習から戻った1年生の男児が熱射病で死亡した。目的地の公園まで学校から約1キロ。子どもの足なら20分ほどかかったろうか。

 名古屋地方気象台のデータでは、児童らが学校を出て間もない午前10時に豊田市の気温は32・9度に達していた。戻りの時間帯は33度を超えた。

 同校は活動時間を半分に短縮し、全員に帽子の着用と水筒持参を徹底させていたという。小学1年生に炎天下歩いての公園往復は厳しかったのではないか。集団行動では自分都合の休憩が難しく、それだけに教員の目が大切となる。

 同じ事故はどこの学校でも起こりうる。子どもたちはがっかりするだろうが、たとえ出発後であっても中止して引き返す判断が必要だ。

 熱中症による死者は増え続け、憎むべき今年の猛暑である。あすから夏休み。暑さへの備えを整え、楽しい思い出をつくってほしい。(増)

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