大型連休が始まった。県にも国内外から大勢の観光客が訪れることだろう。

　先日奈良市に、訪日客を意識した観光型複合商業施設「ミ・ナーラ」が開店した。3月オープンの平城宮跡歴史公園「朱雀門ひろば」とともに、奈良観光を活気づける存在として期待される。

　もっとも、施設があればいいわけでもない。観光客の満足度は施設内容はもとより、周辺の雰囲気や住民のふるまいなども含め、総合的に判断されるからだ。

　観光客の印象を悪くする要因はそこここにある。交通マナーもその一つ。例えば、地元ドライバーにはおなじみの道路合流地点での県内ナンバー車の割り込みは相変わらず。当地自治体車両の当然のごとき運転に至っては情けない限りだ。

　県外ドライバーに「奈良とはこんな所か」とあきれられても仕方がない。一事が万事で、観光地としての魅力は当然下がる。

　県内で目にあまる行為、事象に出くわせば、もてなしの心を尽くしても表面上だけと思われかねない。県議会議長の黒い交際疑惑もまたしかり。観光立県を描く地の住人であることは常に意識していたい。(智)