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奈良市の名阪国道「道の駅針T・R・S(テラス)」再整備、「イオンモール」が優先交渉権者に 30年度の供用開始目指す

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名阪国道「針T・R・S」の空撮=奈良市針町(市提供)

【奈良市と協議、11月中旬めどに基本協定】

 名阪国道針インター近くの「道の駅針T・R・S(テラス)」(奈良市針町)のリニューアル事業の優先交渉権者に「イオンモール」(千葉市)が選定され、18日、奈良市が発表した。今後、市と協議、調整を行い、11月中旬をめどに市と基本協定書を締結した時点で「事業協力者」となる。2025~26年度に「再整備計画」(事業計画)を策定した時点で「再整備事業者」となり、針テラスは27年度以降からリニューアル工事を実施、30年度の全面供用開始を目指す。契約期間は30年。

 

 

【訴訟トラブルが相次ぎ】

 針テラスは名阪国道伊賀SA-西名阪道香芝SA間で唯一、上下線引き込みがある大型の道の駅。総面積6・6ヘクタールの敷地は国有地と市有地で、バスなどを含む自動車480台余り、二輪車も100台余りが収容できる駐車場を備える。

 

 針テラスは01年に旧都祁村が整備。地元農産品を販売する「針テラス情報館」(約2800平方メートル)や物販・飲食店が入る南館・北館(計約9千平方メートル)、ベリーファーム跡地(約2・5ヘクタール)、「はり温泉ランド」(約9200平方メートル)などの施設があるが、開設当時から村から運営管理を任されていた事業者と、合併で村から事業を引き継いだ奈良市との間で訴訟トラブルが相次ぎ、新たなテナントも入らないまま、老朽化で荒廃が目立つようになっていた。

 

 

【事業のMVVに沿った提案評価】

 市は建物の所有権を巡る訴訟が一段落した22年以降、針テラスのリニューアルに向け方策を検討。針テラスの再整備に向け事業協力者選定のプロポーザルを実施。今年6月24日の参加表明書等などの提出期限までに2者が書類提出していたが、一次審査後、1者が参加辞退届を市に提出し、今月11日の2次審査を経てイオンモールに決定した。市のプロポーザル審査委員会は選定理由として、「豊富な開発実績があり、地域振興を志向した取り組みがなされている」ことや、「本事業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)に沿った具体的な提案がなされ、マネタイズ(収益化)およびガバナンスを確立。事業スキームを含め実現性の高いものと判断された」としているが、今回の提案の具体的内容などについては市は公表していない。

 

 

【イオンモールにとっても新規参入分野】

 リニューアルは「はり温泉ランド」を除く全エリアが対象で、再整備に当たって既存施設については建て替え、または改修のいずれも可。

 

 市観光戦略課によると、イオンモールにとっても道の駅事業は新規参入分野になるといい、「針テラスは市にとっても利用者にとっても非常に注目度の高い事業。丁寧に調整しながら、なるべく早く方向性を示していきたい」としている。

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