社会

奈良県吉野町の野菜、召し上がれ 東京の児童ら弁当調理、一日限定で販売

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吉野町産の野菜を使って調理する東京の子どもたち=15日、吉野町山口の山口研修会館

 奈良県吉野町産のおいしい野菜でつながった東京都江東区の小学生が15日、同町山口の山口研修会館で、取れたて野菜を使って調理したランチを販売し、地域住民と交流した。

 

 町行政の関係人口創出事業をきっかけに、江東区で不登校の児童生徒を支援している施設が、町内で農業振興に取り組む「吉野絆ファーム」と出合った。みずみずしく甘いピーマンの味わいに感動した子どもたちは「吉野町の畑に行きたい」「お弁当屋さんを開きたい」と夢を抱いた。

 

 インターネットを活用して事業費を寄付で集めるクラウドファンディングにも挑戦し、旅費などを獲得。8月の事前交流を経て今月、「1日限りのお弁当屋さん」開店にこぎ着けた。メニューは夏野菜もりもりカレーとピーマンのみそ炒め。朝から調理し、食堂形式で販売。町内のこども食堂スタッフらも手伝った。

 

 小学4年の女児(10)は「私たちが作った料理で、みんなに笑顔になってもらいたい」と心を込めて調理し、来場者をもてなした。教員を退職し、不登校児の支援を始めた同施設の植木安紀代表(44)は「食べることは生きること。食育で子どもたちの世界も広がります」と子どもたちの主体的な行動を見守る。吉野絆ファームの靏井昌幸さん(63)も「子どもたちが成長していく姿が見られてとてもうれしい」と喜んだ。

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