書法研究「雪心会」理事長の森田彦七さん死去 72歳
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書法研究「雪心会」理事長兼事務局長の森田彦七(もりた・ひこしち)さんが4月22日、奈良県桜井市内の自宅で間質性肺炎のため死去した。72歳。葬儀は近親者のみで行った。喪主は長男晃(あきら)さん。
森田さんは川西町出身。奈良教育大学大学院修士課程修了。1974(昭和49)年4月から天理高校第二部書道担当教諭となり、定年退職後は花園大学教授や、天理大学と奈良大学の非常勤講師などを務めて書の指導に尽力した。
漢字の書の第一人者、故今井凌雪さんが創設した雪心会(事務局・奈良市)では1989年から事務局長を担当。2019年からは理事長も務めた。
漢字のほか篆刻(てんこく)にも造詣が深く、県展の知事賞や文部大臣賞、日本書芸院の大賞などを受賞。日展では1982(昭和57)年に初入選を果たすと91年と2005年に特選となり、12年、17年、21年には審査員を務めた。
現代書壇の最高峰の作品を集めた「日本の書展」(全国書美術振興会主催)では「現代書壇代表作家」として作品を出品。同展の「奈良展」(奈良新聞社、同会主催)では裏方として運営をサポートし、穏やかな人柄から会派を超えて慕われた。日展特別会員、日本書芸院常務理事、天理書会理事長兼事務局長。