金剛山を貫く「新金剛トンネル」建設へ 五條市長が意欲 推進協議会設立目指す
奈良県五條市から北進し、大阪府境の金剛山を貫く新しいトンネルの建設に向けて、五條市の平岡清司市長は29日、定例記者会見で「これからがスタート」と意欲を語った。事業推進を支援する市内の民間組織が今月27日に発足。平岡市長は今後、関係自治体に賛同を呼びかける考え。
「新金剛トンネル(ルート未定)」を機軸とする広域ネットワークの形成で紀伊半島の振興を図り、五條市がターミナル都市として発展する構想。平岡市長は4月の市長選挙で整備推進を公約して初当選した。県南部や大阪府側の自治体から賛同が得られれば、自治体レベルの推進協議会を設立し、国への陳情などを行う方針。
市内では今月27日、民間組織「新金剛トンネル建設を進める会」が発足。発起人は市商工会や市観光協会など市内の経済団体や運輸・建設業界団体、自治連合会など各種団体の代表、有識者ら19人で名誉会長に田野瀬良太郎・元衆院議員、会長に吉野晴夫・元市長を選出した。12月下旬まで個人会員と企業団体の賛助会員を募り、来年2月に総会を開く。事務局は市まちづくり推進課内に置く。
奈良新聞の取材に対し、会長に就任した吉野元市長は「一度は国家予算で調査費までついたが、政権交代などで立ち消えた。再び動き出した市の取り組みを市民として精いっぱい支援したい」と話した。