「本番は上手に馬に乗れるように頑張ります」 奈良の春日若宮おん祭を前に「装束賜式」 頭屋児らが参拝
古都奈良の冬の風物詩、春日若宮おん祭を前に、お渡り式(12月17日)に参加する稚児や神子(みこ)に衣装を授与する装束賜式(しょうぞくたばりしき)が25日、奈良市春日野町の春日大社で行われた。
かつて興福寺の田楽頭役の学問僧が、お旅所祭の前日、田楽の楽頭に装束を授与したことにちなむ儀式。小学生から社会人までの19人が、同大社の花山院弘匡宮司から参勤辞令と装束を手渡された。
参勤者は装束をまとい、境内の若宮神社に参拝。お渡り式で重要な役割を担う頭屋児(とうやのちご)の2人は、不浄とされる地面に触れないよう従者に肩車されて進み、全員で神職のおはらいを受けた。
馬に乗って奉仕する馬長児(ばちょうのちご)役の帝塚山小学校4年、中室敢慈(かんじ)君(10)は「(衣装の)鳥の羽が付いた帽子がきれい。本番は上手に馬に乗れるように頑張ります」と話した。
おん祭は15日に始まり、若宮神社の神様を境内のお旅所に迎えて芸能を奉納するお旅所祭、約1000人の行列が同市内を巡行するお渡り式などが営まれる。