奈良クラブ試合サマリー J3第32節

▽J3第32節(岐阜メモリアルセンター長良川競技場)
奈良クラブ 3―1 FC岐阜
(47) (44)
▽得点者 【奈】生駒稀生、浅川隼人、酒井達磨
【岐】山内寛史
▽順位 7位
▽観衆 3191人
【戦評】
奈良は8試合ぶりの複数ゴールで岐阜を破った。前半2分に左CKから生駒が頭で合わせて先制。同36分には生駒の右サイドからのクロスを浅川が合わせて2点目。後半39分にも酒井のゴールで加点し岐阜を突き放した。生駒はJ初ゴールに1アシストの活躍。浅川は今季15ゴール目、酒井は今季7ゴール目となった。奈良はホームとアウェーで岐阜に勝利し、シーズンダブル。
【記者の目】
完成度の高い試合だった。最終ラインを高く保ち、前線からのプレスで岐阜の選手を囲い込んでボールを奪い、素早くショートパスをつないで次のスペースへとボールを運んだ。さらにピッチを大きく使ってロングパスで左右に揺さぶってゴールに迫った。
走り惜しみがなく、複数の選手がボックスに進入して数的優位な状況を作り出すなど、素晴らしい試合内容だった。
生駒の早い先制点がチームを勢いづけた。7月まで所属していたFCティアモ枚方(JFL)で出場17試合3ゴール。そのすべてがへディングで、Jの舞台でも特長が出た。チームの司令塔、中島は長短のパスを使い分けて何度もチャンスを作りだすなどセンスの良さが光った。ゴールにはつながらなかったが素晴らしいフリーキックで観衆を魅了した。アンカーの森田は「つぶし屋」に徹し、堀内とのプレースタイルの違い見せてチームに貢献。浅川は15ゴール、酒井は7ゴールと両ストライカーが結果を残したのは頼もしい。どの選手もスペースを探して走り込み、同時にスペースを生む動き、選手間の距離も良く、これが3ゴールにつながった。
愛媛、鹿児島、富山と上位との連戦が続くが、「ボールがない時に、どうスペースへ動き、アタックするか」とフリアン監督が指摘している通り、ここがポイントとなるだろう。最終ラインを高く保ち、前線からのプレスはもちろん必須だ。(河村)