奈良クラブ試合サマリー J3第29節

▽J3第29節(ユニリーバスタジアム新富)
奈良クラブ 1―0 テゲバジャーロ宮崎
(43) (32)
▽順位 6位
▽観衆 1035人
【戦評】
奈良は後半22分、交代出場した森が左サイドからグラウンダーのクロス。ゴール正面に走りこんだ酒井が左足で押し込み決勝点を奪った。酒井は今季5ゴール目。森は交代出場から5分後のアシストだった。森は8月26日の長野戦以来、5試合ぶりの出場だった。奈良は宮崎にホーム、アウェーともに勝利しシーズンダブル。
【記者の目】
ここ2試合、シュート各3本と攻めあぐねていた奈良だったが、この日はボールがよく回り、前半だけでシュート5本。後半も4本を放ち酒井のゴールにつなげた。
最終ラインからロングボールを送り、くさびを打ってから両サイドへ開いて次々とチャンスを演出。前半27分にはカウンターから山本が攻め上がり、左に展開。中島のクロスをゴール前の加藤が折り返し、ゴール正面に詰めていた浅川が頭でシュート。相手GKの弾いたボールを山本がシュートを放つが、わずかに外れて逸機。後半12分には加藤の左クロスから桑島がGKと一対一となったが押し込めずにチャンスを逃した。
しかし、同22分には森の左サイドからのクロスが絶妙だった。浅川がゴールエリア付近まで走り込んだ事で、相手DFが浅川に引き付けられ、後ろから走りこんだ酒井がフリーとなり決勝点につながった。クロスがグラウンダーだったこともあり、酒井は狙いすまして浮いたボールでゴールに突き刺した。シュートは力ではなくタイミングとコース。そのことを意識して日頃から練習している成果が出たようだ。
前節は激しいプレスと中央を固める相手に中盤で停滞したが、この日はサイドチェンジを効果的に使い左右に揺さぶることで、チャンスを多く作った。選手の距離感もよかった。
守備はミスからピンチを招く場面があった。低い位置で何とかボールをキープしようとすることでリスクを冒しているようだ。サポートなどの対策が求められる。しかし、宮崎のアグレッシブなプレーに対し、奈良は最後まで体を張ってクリーンシート(無失点)を達成した。選手たちの粘り強いプレーに拍手を送りたい。また、GK岡田はファインセーブを連発して勝利に貢献した。琉球から復帰した森田は後半27分に途中出場を果たした。昨年11月20日のソニー仙台戦(JFL)以来のピッチだった。
奈良は勝ち点43に伸ばし自動昇格となる2位の鹿児島(勝ち点48)に5ポイント差に迫った。残り9試合で、ここからが勝負となる。(河村)