勇壮な姿 再び 奈良県広陵町「大塚区山車」の大規模改修が完了し入魂式
奈良県広陵町大塚区(塚本義久区長)は24日、同町大塚の於(うえの)神社で、大規模改修が完了した「大塚区山車」の修祓式・入魂式を行った。関係者らが多数参列し、改修が無事に完了したことを祝った。駆け付けた同区住民にもお披露目された。
同区の山車(高さ約3メートル70センチ)は、毎年10月に同神社で行われる祭礼で曳行されてきた。現在の山車は、大正時代末ごろから90年間以上にわたり使用され、堺市で制作されたと推定されている。
老朽化が進み、今年4月から大規模改修を実施。文化庁文化遺産総合活用推進事業(山車改修補助金事業)を活用し、欠落していた彫刻の補修や、木材の部材が劣化していた構造部分の改修を行った。改修は、大阪府岸和田市の工務店が担当。そのまま使える部材は極力利用する方針のもと、制作された当時の姿に復元された。
祭典で、塚本区長は「欠落していた彫刻が元に戻るなど、当時の姿によみがえった。祭礼での安全な曳行ができるようになった」とあいさつ。来賓の山村吉由町長は「山車をコミュニティの活性化に役立ててほしい」と祝辞を述べた。同区住民は「(山車が)きれいになってよかった」と喜んでいた。
その後、同神社周辺で試験曳きが行われた。