社会

好みの着物姿で笑顔 奈良の介護施設入居者 - 車いすで着付け体験

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着付け体験をする女性(手前右から2人目)=23日、奈良市西大寺南町のらくじ苑大和西大寺

 奈良市西大寺南町の介護付有料老人ホーム「らくじ苑大和西大寺」で23日、入居女性8人が車いすなどに座った状態で着物の着付け体験をした。

 

 着物販売などの京ろまんグループホールディングス(同市)が運営する「大和美流着物学院」が実施。車いす着付け講習を受講する6人が、講師の指導で実習を兼ねたボランティア活動として実践した。

 

 着物や長襦袢(ながじゅばん)を裏側が見える状態で車いすに据え付け、介護士に抱えられた参加者が洋服を着たまま上に座る。立っている人への着付技能をもつ受講生は2、3人で前後左右から参加者の体を着物で包み、「苦しくないですか」などと声を掛けながら帯を締めた。

 

 自分で選んだ好みの色や柄の着物を身に付けた参加者は「久しぶり」、「うれしい」と笑顔。照れくさそうに記念撮影する姿が印象的だった。98歳の女性は「若い頃によく着ていた着物がやっぱり好き。着させてもらってうれしかった」と話した。

 

 同学院は医療や福祉現場を中心に、車いす着付け事業を2020年よりスタート。家庭の着物や着付道具を使い、一人あたり10〜15分で完了する手軽さで、出張などで老若男女に対応する。また着付士としての幅を広げてもらおうと、車いす着付け講習会を開いている。

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