大人みこし豪快練り歩き 奈良・天川の天水分神社4年ぶり夏祭り
奈良県天川村川合にある天水分神社の夏祭りが1日、4年ぶりに開かれた。氏子ら約40人が大人みこしを担いで神社までの道のり約2.5キロを練り歩いた。夏祭りは例年、村の8地区の氏子らが7月の第1土曜に実施してきたが、コロナ禍で中止を強いられ、その間は神事だけが営まれていた。
みこしは代々若手が担いできたが、人手不足で一時中断。祖父や父親の担ぐ姿を見てきた世代が6年前、およそ15年ぶりに復活させた。若手でつくる水分会を再結成し、前会長の水口大介さん(44)らが担ぎ手集めに奔走した。片岡啓行副会長(38)は「憧れで見ていた父の姿を今度は自分の子供にも見せたかった」と当時を振り返る。
練り歩きは午後1時ごろ、同村五色をスタート。和太鼓や笛などの音色に合わせ、20〜40代の男性が「わっしょい」と叫びながら、吉野署員が交通整理する県道を進んだ。後には子供らが引く花車も続いた。
沿道の住民が祝儀を手渡すと、同会の中西功弐会長(44)が「祝儀もうたで」と発声。担ぎ手はもらった家に対して、みこしを豪快に左右半回転させたり持ち上げるなどして健勝と多幸を祈った。
自宅前で様子を見ていた同会OB、水口修さん(54)は「息子や娘も参加。祭りは気持ちが高ぶる。長く続けてもらえるとうれしい」と話した。
午後3時20分ごろ、神社に宮入りした一行が最後の力をふり絞って境内を縦横無尽に走り回ると、多くの人が勇壮な姿に見入っていた。
宮入りを終え、中西会長は「皆のおかげで楽しく無事に終えてうれしい。子供たちのためにも大人みこしを絶やさず継続していきたい」と、充実した表情で語った。
このほか境内には屋台が並び、乳幼児の泣き相撲大会も行われた。