インド政府から寄贈の菩提僊那像を除幕 奈良の霊山寺
大阪・神戸インド総領事も出席
奈良市中町の霊山寺でインド政府から寄贈された菩提僊那(ぼだいせんな)僧正像の除幕式が行われ、ニキレーシュ・ギリ在大阪・神戸インド総領事が出席した。
736(天平8)年に来日し、同寺を拠点として東大寺の大仏開眼法会で導師を務めるなど、日本の仏教に大きな影響を与えたとされる菩提僊那の金銅仏(横幅93センチ、奥行64・5センチ、高さ93センチ)。昨年の日印国交樹立70周年とインド独立75周年記念の日印友好の証として、霊山寺の菩提僊那坐像(木製)の写真を基にインドで制作。本堂横の歌碑前に安置された。
除幕式では、同寺の東山光秀管長が像の前で菩提僊那を讃え、参列者全員で読経した後、東山管長とギリ総領事により同像を覆う幕が外された。
ギリ総領事は「この像をきっかけに、菩提僊那と霊山寺とのつながりを知っていただけたら。精神性が満たされる美しい奈良で同像を参拝できて、大変平和な気持ちになった」と話した。
東山管長は「歴史を感じるご縁と、僧上の遺徳を顕彰できることをありがたく思う」と感謝を述べた。
菩提僊那は、同寺の登美山の形がふるさとインドの霊鷲山(りょうじゅせん)に似ていることから「霊山寺」と名付け、「亡くなった後は同寺に葬ってほしい」と言い残したと伝わり、現在も供養塔が残されている。