奈良クラブ試合サマリー J3第6節

奈良クラブ 2―0 FC琉球
▽得点者 【奈】酒井達磨、浅川隼人
▽順位 7位
【戦評】
酒井の判断が2ゴールにつながった。
前半4分、相手DFのバックパスをカットした酒井がゴール正面に切り込んで右足を振り抜きゴールネットを揺らした。同37分には中盤で酒井がボールを奪い、パスを受けた山本がワンタッチで浅川につないで加点した。奈良クラブは手堅い守備で、この2点を守り切った。
【記者の目】
酒井に待望のJ初ゴールが生まれた。昨季はJFLで14ゴール。得点王、浅川の16ゴールに続く好成績を残してJの舞台に挑んだが、この5試合は結果を残せなかった。ストライカーの嗅覚が同じなのか、得点機に右ウインガーに入った浅川とポジションが重なってチャンスを逃すなど、酒井と浅川の距離感が課題だった。
この日は酒井が左右のどちらのサイドに偏ることなく前線から中盤まで下がってボールを追いかけることで、2人の距離感が改善し、そろってゴールを奪う好成果につながった。
このJ初ゴールで酒井に弾みがつきそうだ。ただ、このリーグはディフェンダーの寄せが早く、もうワンテンポ早いタイミングでシュートを打たないとゴールにはつながらない。浅川がいい見本を見せている。
2点目を演出した山本のワンタッチパスは秀逸。浅川の位置をよく見ていた。素晴らしい判断だった。
守備に安定感があり、厳しい局面もよく対応できていた。JFL時代に比べ、守備はさらに整備されている。
ケガで出遅れていた中島が初出場した。高い身体能力があり、今後の活躍に期待。
うれしいのは、昨年まで奈良クラブでプレーし、Jリーグ昇格の功労者の一人、森田凛がFC琉球で中心選手として活躍。アンカーでボールを左右にさばき、ピンチの芽を摘むなど鋭い動きを見せていた。チャンスがあれば、また奈良クラブのユニホームに袖を通して欲しい。
奈良クラブは攻守に動きがよく、J2から降格してきたFC琉球に完封勝した。FC琉球は個の能力が高く、奈良クラブを圧倒する力がありながら、攻守に一貫性がなく、最後までちぐはぐだった。今回は奈良クラブの組織力が上回った。
奈良クラブは6試合でわずか1敗。その強さがリーグ内をざわつかせている。