綿密、硬く、折れにくく - 「発掘された日本列島2022」展
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◆ 新発見考古速報
アオトラ石製石斧(せきせいせきふ)
宿戸遺跡出土(岩手県洋野町)
縄文時代早期中葉~前期
青みがかった縞(しま)状の模様が見られる緑色岩。綿密で硬く折れにくい石斧。長さは約10センチ。
北海道から流通したアオトラ石は東北の広い範囲で出土しているが南へ向かうほど少ない。宿戸遺跡から出土した同石は何度も加工を繰り返し使い込まれており、貴重なものとして大切に使用されたことがわかる。
三陸沿岸部最北端に位置する宿戸遺跡では、石斧とその未完成品が2098点出土している。石材の花崗閃(かこうせん)緑岩や砂岩を近隣の海岸で採取できる立地を利用し集落では石斧の生産が盛んに行われ、周辺地域へ供給されたと考えられる。
「発掘された日本列島2022」展は2月12日まで。観覧無料。