天理・芸術村で「発掘された日本列島」展、地域展も 橿考研所蔵含む370点 一堂に

奈良県天理市杣之内町のなら歴史芸術文化村で開かれている「発掘された日本列島2022」展(文化庁、なら歴史芸術文化村、奈良新聞社、全国新聞社事業協議会主催)で、地域展「物部氏の古墳 石上・豊田古墳群と別所古墳群」が同時開催されている。2月12日まで。
地域展は同文化村と天理市教育委員会の主催。古代の有力氏族・物部氏の拠点集落遺跡と考えられる布留遺跡の北方に広がる、石上・豊田古墳群と別所古墳群について、長年の発掘調査の成果を紹介。天理の地に里帰りした県立橿原考古学研究所所蔵品を含む約370点を一堂に集めた。
古墳総数250基以上の石上・豊田古墳群の首長墳、ハミ塚古墳や豊田トンド山古墳は、写真パネルを通して大型の横穴式石室について説明している。
中小古墳の豊田狐塚古墳からは鏡や馬具、玉類、須恵器など豊富な副葬品が出土。ホリノヲ2号墳からは同古墳群に特徴的な鍛冶工具が見つかり、鍛冶生産遺跡でも知られる布留遺跡の工人集団と古墳群の関係がうかがえる。別所古墳群は埴輪の数々が並べられている。
天理市教委文化財課の石田大輔係長は「両古墳群は昭和30年代末ごろから本格的に始まった発掘調査の蓄積がある。天理にこれだけの出土品が集まるのも初めてで、成果をまとめてご覧いただければ」と話す。
午前9時から午後5時開館。月曜(祝日の場合は翌平日)休館。観覧無料。