橿原のJR畝傍駅舎の保全活用、市は提案受け入れず 市民団体「時代に逆行」
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奈良県橿原市の住民有志らでつくる「JR畝傍駅舎の保全活用を進める会」は26日、同市の橿原記者クラブで会見し、市への提案(要望)に対する回答結果を報告した。
提案は、JR西日本からの同駅舎無償譲渡案の断念を撤回して検討会を設置することや、来年3月末までの無償譲渡に関する協議の期限延長と継続、検討会への市民参画などを求め、今月1日に提出された。
市は同13日付で、いずれの提案も受け入れられないと回答。「畝傍駅の歴史やデザインを継承したコンパクトな駅舎や駅周辺の在り方、整備方針について来年3月以降もJR西日本と協議していく」としている。
これを受け、同会は無償譲渡で必要な維持管理費の算定のずさんさや、市民無視のまちづくりは時代に逆行するなどと指摘。米村博昭代表は「市とJRだけの協議でなく、市民も巻き込んだ地域の魅力づくりが必要だ」と訴えた。
同駅舎は、神武天皇陵を参拝するために皇族が利用した貴賓室を備えるなど、貴重な近代の歴史的建造物として評価されており、同会は保全活用を求めて活動している。
市は、JR西日本から駅舎の無償譲渡を提案され、民間事業者による活用方法を検討。昨年12月に維持管理費をまかなえる条件での応募が見込めないとして、この方針を断念した。JR西日本は老朽化した駅舎の建て替えを検討、市と協議を進めている。