音羽山観音寺 後藤住職の花だより - 多臓器不全編 2022年初冬
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「多臓器不全なの」住職がモノレールの故障をそう呼んでました。音羽山観音寺の生活必需品は車とモノレールを使って運びます。修理中、モノレールがない10日間はどのように過ごしていたのでしょうか。
モノレールの線路
みんなの前で エンジンが止まる
11月19日のことでした。買い物帰り、偶然話しかけられた参拝者と写真を撮ったりと、なごやかな雰囲気で、「じゃあ失礼します」という住職。みんなが見ている前でモノレールがプスプスという音とともに動かなくなってしまいました。その日は大きなかばん3つ。お寺まで運ぼうとしていたのです。その場にいた人たちが、荷物を持ってくれました。
「ありがたいことにね、みんなが手伝ってくれたの。助かっちゃった」
故障したまま11月24日を迎えました。24日は「まごころ便」の発送日です。いつも1つの箱にジャムが3つなのに、この日に限って八味のガラスびんが加わっていました。全部で40箱を住職の車まで運びます。
森にある住職の車
「手伝いの人みんなで背負って山を降りたのよ。私は途中でダウンしたの。私の分も運んでくれたわ」
11月末発送のまごころ便はこうやって運ばれたのでした。
昔荷物を運んでいた運搬車。今は倉庫に置いている
さて故障の原因は モノレール復活
「28日には修理のNさんが来てくれたの」
いつもマスク姿のNさん。修理の時は野外だったのでマスクを外します。
「あら、今日は若手が来たんですね」と住職が言うと「いや、ぼくですよ。Nです」「そんな若い顔だったのね」と笑う場面もあったとか。
さて故障の原因はオイルがなくなっていたこと。空っぽのままでエンジンがダメになっていたそうです。
「メンテナンスしてますか?」という記者の問いに「1年に1回オイルをつぎ足すだけかしら」といいます。「2年前はオイルが空っぽでエンジンがお亡くなりになったの。今回もエンジン換えないとダメかしらと思っていたわ」
さて修理が終わりモノレールが復活。いつもの生活に戻りました。今回のことで、オイルは定期的に交換しなくてはいけないということを学んだようです。
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。
17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門