経済

ユーザーにより近い目線で商品展開、育児との両立に配慮 呉竹(奈良市) - 奈良の女性活躍応援企業

関連ワード:

女性活躍の取り組みについて語る西村常務=奈良市南京終町7の呉竹本社

 一度は使ったことがある人も多い書道用液(ぼくてき)や筆ぺんなどを製造・販売する「呉竹」(奈良市南京終町7丁目、山際義敬社長)。同社商品のユーザーは、9割近くが女性という。ユーザーにより近い目線で商品展開するため、同社は20年以上にわたり各部署で女性活躍の幅を広げてきた。

 

 10月に創業120周年を迎えた同社。長期にわたり培ってきた技術力を生かし、今年は化粧品のアイライナー「お化粧ふでぺん(目元用)」を発売し、注目を集めている。

 

 同社の西村真由美常務によると、ユーザーの大半を女性が占める一方で、20年以上前までの同社では「女性社員が担当する業務は事務職などの補助業務が中心だった」という。

 

 1997年の男女雇用機会均等法改正などを背景に、改革に着手。性別や年齢に関係なく業績によって給料や役職が決まる成果主義を導入したほか、事務職に限られていた女性社員の業務を商品企画や技術開発、販売などの基幹業務に広げていった。

 

 商品の起案から開発、プロモーションなどを担当する企画マーケティング部は、今では女性社員が9割近くを占めるという。西村常務は「ユーザーにより近い目線で商品展開できるようになった」と話す。

 

 役職のある女性社員も増やし、現在、男女でほぼ同数となっている。

 

 女性活躍を推進するとともに、働く環境も整備してきた。仕事と育児が両立できるよう、残業を許可制として必要な残業以外を排除し、短時間勤務や在宅ワークなどの働き方を取り入れた。

 

 その結果、出産や育児を理由とした女性社員の退職が大幅に減ったという。子育て中の女性も積極的に採用している。

 

 若手の女性管理職も増えており、今後、女性管理職が出産や育児で長期休暇を取るケースも考えられる。「そうした場合に備えた体制づくりを進めていきたい」と西村常務は語る。

 

 女性社員の活躍の幅を広げることで、ユーザーのニーズにより近い形で応える同社。化粧品事業を含め「アート&クラフトカンパニー」として、さらなる成長を目指す。

こちらの記事も読まれています

特集記事

人気記事

  • 奈良県の名産・特産品・ご当地グルメのお取り寄せ・通販・贈答は47CLUB
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド