「奈良県と戦争」を研究する帝塚山大学教授―未来の奈良をつくる人々」【2】

帝塚山大学法学部の末吉洋文教授は自身が担当する「国際法・平和学ゼミ」を「法学部としてはちょっと変わっているゼミ」と言います。ゼミの中心テーマは「奈良県と戦争」。「まずは知ることから」とのスタンスで県内の戦争遺跡を掘り起こした冊子の刊行や高校生と一緒に歩くフィールドワーク、小学校での出張授業など、『行動するゼミ』での学びを通して、「学生のコンピテンシー(職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性)を鍛えたい」という末吉さんに話を聞きました。
末吉洋文(すえよし・ひろふみ)さん
帝塚山大学法学部法学科教授。神戸市外国語大学外国語学部国際関係学科卒業。同大学大学院外国語学研究科文化交流専攻国際社会コース修了(学術博士)。1973年、兵庫県出身。奈良県生駒市在住。
奈良にも残る、戦争の爪痕
――2019年度に当時のゼミ生10人が県内の戦争遺跡の調査に取り組まれました。
末吉:
戦争の爪痕というと、まず思い浮かぶのは広島・長崎の原爆や沖縄の地上戦、東京・大阪の大空襲……。「奈良にも何かあるんですか?」という認識の人は多いと思います。
実際、「奈良県に空襲被害はなかった」などと発信している資料もあるくらいです。これはちゃんと調べなければならない、ということで調査を始めた内容が、本学同窓会「わかみどり会」が現役学生を支援する「学生チャレンジ制度」に採択され、学生が県内の戦争遺跡を取材した写真と文章を収録した報告書「奈良県の戦争遺跡―忘れてはいけない歴史」(B5判、50ページ、フルカラー)を刊行。
広く「平和教育」に活用してもらいたいとの思いから、本学のホームページ上(帝塚山大学学術機関リポジトリ)でも公開しています。https://tezukayama.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1278&item_no=1&page_id=13&block_id=21