蔵に残る「最後の酒」をCFで販売、新拠点の建設費に 大和郡山の中谷酒造

大和郡山市番条町の酒造メーカー「中谷酒造」(中谷正人社長)は6月をめどに醸造拠点を創業の地である番条町から同市の柳町商店街に移す。コロナ禍で清酒の売り上げ減少に拍車がかかり、生産体制の維持が難しくなったためで、駅や観光地に近い同商店街に醸造拠点を作り、新たな清酒ファンの掘り起こしを目指す。現工場での生産は令和2年4月から停止しており、蔵に残る酒を「最後の酒」としてクラウドファンディングで販売し、新拠点の建設、運営費に充てる。
新醸造所は令和2年12月に国の構造改革特区「清酒製造体験特区」の認定を受け、体験醸造と清酒バーを併設した施設を建設する。1日数十リットル単位で製造した、しぼり立ての清酒を併設のバーで提供し、酒のつまみは商店街など近隣の店舗からのデリバリー、または持ち込んでもらうことで商店街の活性化にも貢献する。清酒の醸造体験(有料)では洗米、蒸米、冷却、仕込みの工程が体験できる。