車通勤でたまの電車利用は近鉄電車、JR線にはなじみが薄い。だが、自宅のある中和エリアからJR奈良駅へは桜井線を使えば乗り換えなしで30分ほど。かなり便利だ。

　そしてなんと、県内のJR線はループ状になっている。奈良―王寺―高田―桜井―天理―奈良とつないで乗り継げば立派な環状線だ。

　県とJR西日本、奈良商工会議所の3者はこの構造に着目、沿線の魅力と掛け合わせた「ならスロー＆ループ」プロジェクトをスタートさせた。2日間の乗り放題パスに加え、酒蔵巡りの楽しさも味わえる。

　名称には時間をかけてゆっくり奈良を巡ってほしいとの期待を込めた。普段は不便に感じる列車本数の少なさも、逆に魅力となりそうだ。観光客はもちろん、沿線の地酒を味わいながら地元の魅力を再発見するのも悪くない。

　お寺や古い町並み、城跡など、ループを生かせば沿線の魅力は無限に広がる。古墳群を縫うように走る桜井線は、古代史巡りをしながらローカル線の旅を楽しむこともできる。

　沿線の観光情報を集めて自分だけの「スロープラン」を楽しみたい。(増)