奈良市役所の南側に芝生広場ができた。約1700平方メートルあり、公序良俗に反しない限り、だれもが自由に利用できる。

　市は休憩、遊びはもちろん、体操やヨガといった心身の健康、各種教室での活用も想定。できるだけ柔軟に開放する方針だ。

　オープン日に訪れた親子連れが話したように、市周辺には土の空間は数あれど、子どもが駆け回れるほど広い、自由度の高い芝生地はほとんどない。ここへの満足度は父子の笑顔からもうかがえた。

　県教育委員会の事業で学校の運動場で芝生を体験した人もいるだろう。草地に近いが、はだしでも走れる心地よさ、ころんでも大けがをしにくい利点などは感じられたのでは。ただ利用者は限られる。

　県外の屋外型ミュージアムでは、交通の便はよくないのに、さまざまに遊べ、飲食もできる広大な芝生空間を持つことで、多数の家族連れを取り込んでいるのを目にした。直接座ってもさほど気にならず、眼にも優しい芝生は人の集う場所に適している。

　芝生広場が今後、どう使われるのかが楽しみだ。利用が広がれば各地への波及効果も期待できる。(智)