きょうは「母の日」。わが国では5月の第…
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きょうは「母の日」。わが国では5月の第2日曜日となっている。米国にならってこの日が正式に制定されたのは戦後すぐの頃という。
日頃の労をねぎらい、感謝をささげるべき“わが母”は既に墓の中。せめて心の内で、改めて「ありがとうございました」と言おう。そんな人も多いことだろう。
各自の母とは別だが、「国母(こくも・こくぼ)」という言葉がある。例えば今放送されている大河ドラマ『光る君へ』に登場する藤原道長の姉、詮子(あきこ)は一条天皇の生母であり、国母だ。
そしてこの詮子が出家して「東三条院」となった。これが、わが国で最初に得た女院号だという。もっとも、後には出家しない女院号や、国母でない女院号もあったらしい。
現代に国母という意識はどれほど浸透しているか。それはともかく、母はいつまでも「母」だ。「千年たてど 母死なず 万年たてど 母死なぬ」。
寺山修司の歌集『田園に死す』の長歌の一節。直前には「百年たちて 鉄路消え よもぎは枯れてしまふとも」とある。では「父の日」は~ ちょっと影が薄いかな。(北)