久しぶりに高齢の母を連れて外食した。そ…
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久しぶりに高齢の母を連れて外食した。そのファミリーレストランの注文はタッチパネルで、母はおろおろしている。「私らは来てくれなくていいということかねえ」。
タッチパネルどころか、最近は自分のスマホでQRコードを読み取り、注文するスタイルも増えてきた。ほとんどの人がスマホを持っているという前提なのだろう。
「客を待たせないので効率がいい」「飲食業の人手不足を解消できる」など、注文のデジタル化には長所があるのは理解できる。が、母のように戸惑う高齢者もいるのでは。
超高齢者時代を迎えているが、デジタル化など社会が効率化するにつれて、高齢者にとっては厳しい世の中になってきているのではないだろうか。
スーパーやコンビニが近くになく、自動車も使えないため買い物が困難な「買い物弱者」(65歳以上)の割合は、県は31.6%にも達している(農林水産省推計)。
弱者を切り捨てることのない高齢化対策は、喫緊の大きな課題である。効率を重視するデジタルの冷たさではなく、人間味のある温かさが求められている。(栄)