1日、改正民法が施行され、成人の年齢が…
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1日、改正民法が施行され、成人の年齢が20歳から18歳に引き下げられた。成人年齢に関する規定変更は146年ぶりという。
「大人」を定義することは、古今東西を問わず社会にとって重要な意味を持つ。社会の一員としての一定の能力と価値観の共有が求められ、中には命がけの通過儀礼もある。
わが国の成人の儀式は、奈良時代の「元服」が始まり。男性が髪型や服装を改めて、頭に冠や烏帽子などをつけてもらう儀式で形を変えながら近世まで続いた。
そのやり方は時代や地方、身分によって異なり、成人年齢もはっきり決まっていなかった。周囲の環境や本人の能力によって、大人になる年齢も変わるのは合理的な考え方かもしれない。
とはいえ、法治国家では成人年齢をはっきり決める必要がある。これからは18、19歳も大人の仲間入りをし、親の同意なくさまざまな契約できる自由を得る。
一方で知識不足から支払い能力を超えた契約をしたり、悪徳商法の標的になる恐れもある。こうした「未熟な大人」たちをサポートすることも、社会の役割だといえるだろう。(法)