国原譜

子どものころ、親に連れられ南都銀行本店…

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 子どものころ、親に連れられ南都銀行本店に行くのが楽しみだった。重厚な建物と大人びたオフィスの雰囲気。非日常性が快く少しときめいた。

 

 もう半世紀前の思い出だが、国の登録有形文化財に指定された建物は今も変わることなく奈良市の目抜き通り東向き商店街の一角に健在だ。

 

 大正末年の建築で、外壁に岡山産の花こう岩と褐色レンガを使用した壮麗なギリシャ様式。貴重な洋風建築として平成9年に文化財指定されたと同行のホームページに紹介がある。

 

 ただ店舗としては古くなり過ぎた。本店の移転発表で頭取は建物が現代の利用にマッチした造りになっていないと説明したが、当然だろう。

 

 新ビルは同市大宮町4丁目に建設。時代に適合したサスティナブル経営を実現する拠点を目指す。また旧館の方も取り壊さず中心市街地の活性化につながる利用を検討するという。

 

 建設当時はもちろん、50年前でも同行本店はとてもハイカラに見えた。新本館にも現代の先端機能を期待するとともに、旧館の活用ではイオニア式円柱と羊の彫刻にふさわしい品格もぜひ残してほしい。(松)

 

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