過労死防止関連のシンポジウムで、夫を過…
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過労死防止関連のシンポジウムで、夫を過労死で亡くした遺族の話を聞いた。人間らしい生活を奪われていた様子を知りながら、命を救えなかった無念を抱き続ける言葉が胸に刺さった。
相手が望まぬ過重な労働の強要が許されないのは当たり前だ。だが先日、著名パティシエの洋菓子店での従業員の過労死ライン超え労働常態化との報道では、連れ合いとちょっとした議論になった。
好きなことだとつい働き過ぎることもあるとの言い草に、連れ合いは反論。仕事や店主への「好き」「あこがれ」といった感情を利用するような働かせ方を許してはいけないと。
むろん妻の方が正しい。自身も興味関心に従い定時そっちのけで働いたこともあったが、それを他人に同様に求めてはいけないのだ。
懸命に働くことを否定しているのではない。ただ労働力人口が減る社会では、効率よく生産性の高い働き方を検討し、実践することが求められてもいる。
「あなた一人の命じゃない」との忠告はよく耳にする。少なくとも、あなたを見守ってくれている人を悲しませる働き方は慎むべきだろう。(智)