国原譜

紅葉の名所として知られる天川村のみたら…

 紅葉の名所として知られる天川村のみたらい渓谷で、ヤマネが確認された。体長が10センチに満たないネズミ目の動物で、背中の黒っぽい線が特徴だ。丸い目や小さな手が愛らしい。

 ヤマネは国の天然記念物だが、絶滅の恐れがある動植物をリストアップした県のレッドデータブックに掲載されている。県内の確実な記録は昭和46年の捕獲が最後という。

 以前、南アルプスの山小屋で休憩中にヤマネを見たが、人に動じる様子もなく、広場の隅をよちよち歩いて草むらに消えていった。

 山小屋などに巣を作ることもあるといい、人とは距離の近い動物のようだ。天然記念物のため捕獲は禁じられているので念のため。

 県レッドデータブックに掲載された動植物は千を超える。哺乳類で絶滅種に分類されているのはオオカミとカワウソ。ニホンオオカミは明治38年に現在の東吉野村で捕獲されたのが最後となった。

 村内に建てられたニホンオオカミの像には「生存にかすかな夢を託して」の言葉がある。ヤマネ確認のニュースに、もしやニホンオオカミも、と夢のようなことを思った。(増)

 

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