国原譜

何かに夢中になるのは、ささいなことがき…

 何かに夢中になるのは、ささいなことがきっかけだったりする。本やテレビで偶然目にした、友人らの誘い、チケットを譲られたなどなど。

 今月の関西文化の日も、そんな端緒になるかもしれない。17、18の両日を中心に、県をはじめ関西2府8県のエリアの美術館、博物館などの入館料が無料になる。

 県とも縁の深い臨床心理学者の河合隼雄さんが文化庁長官時代、関西元気文化圏の構想を提唱したことに起因する。東京への一極集中を見直し、文化を多極化させようとの考えからだった。

 関西の豊かな文化に気軽に触れてもらう取り組みは今年で16回目。普段意識の希薄だった分野の施設、展覧会に「無料ならば」と足を向けさせたことも多かったに違いない。

 ウェブ上でも府県別の無料施設が紹介されている。驚くのは、無料施設の数とともに実に多様なテーマ、内容の施設が存在することだ。名称だけで気持ちが高揚する場所もある。

 百貨店の食料品売り場で試食ができるように、文化施設のおためしもいい。知的好奇心の波動が合い、施設の味が忘れられなくなることだってある。(智)

 

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