国原譜

政府は企業の継続雇用年齢を65歳から7…

 政府は企業の継続雇用年齢を65歳から70歳に引き上げる方針を固めた。より長く働くことを望む労働者には朗報だろう。

 県内労働環境で気になる数字がある。治療と仕事の両立支援に関する奈良労働局の調査で、厚生労働省のガイドラインの内容が県内事業場の約4割にしか浸透していない実態が分かった。

 ガイドラインは、がんや脳卒中など反復、継続的治療が必要な疾病のある労働者への事業場の適切な就業上の措置、治療への配慮をまとめたもの。病を抱える労働者が安心して働ける職場環境を実現する手助けだ。

 県内で大多数の中小、小規模事業者なら、人手不足はデータを示さずとも実感しているはず。現有の人材を大切にすべきなのは言うまでもない。

 労働者にとっては事業者の配慮、支援で精神的安定が生まれ、治療への好影響も期待される。会社への帰属意識も高まるに違いない。

 同じ調査では、約8割の事業場が何らかの両立支援を実施中と回答。やはりガイドラインの中身を知ることが大切だと分かる。同局も周知へのセミナーなどを開く。まずはそれらを活用したい。(智)

 

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