国原譜

「講談になると歴史に残る」―。21日に…

 「講談になると歴史に残る」―。21日にあった天誅組の催しでの講談師・玉田玉秀斎さんの言葉。講談に限らず、物語の題材になった事象は人々の記憶に残りやすい。

 明治維新のさきがけとされる天誅組だが、現在の知名度は低い。教科書でも勤皇志士の暴発として一行でも記されれば良い方だ。

 同じ幕末に活動した新撰組や海援隊に比べると、小説や映画になることの少なさも要因に考えられる。天誅組も十分にドラマチックであり、物語の題材となり得るのだが。

 そのため、これまでも天誅組の講談を行ってきた玉田さんは今後も新作を作って応援するそう。また、著名な作家も天誅組を題材とした小説を準備し、徐々にメディアで取り上げられる機会も増えそうだ。

 ただ、注意したいこともある。同じく県とゆかりが深い南朝の歴史にも言えるが、天誅組も戦前戦中、戦意高揚に利用された。その反発、反動が現在の天誅組に対する歴史的な軽視につながっている。

 権力者は都合良く歴史を書き換えて利用する。偏った情報だけを信じるのではなく、冷静な目で歴史を評価したい。(法)

 

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