大相撲9月場所は千秋楽を待たず白鵬が41度目の幕内優勝を決めたが、県内ファンの楽しみはもう一つ。県出身の徳勝龍が絡む十両優勝争いだ。

　前人未到の幕内千勝を果たした大横綱とは比べようもないし、そもそも幕内経験のある力士が十両で活躍しても、いまさら騒ぎ立てることはない。

　ただ勝負の世界では常に勝ちにこだわり、競争相手を抑えて上に立つことを目指し続けないと。白星を2桁に伸ばし来場所では再入幕も狙えそう。だから気持ちを切らさず、最後まで貪欲に。

　相撲は神事という面もあり、ただがむしゃらでも評価されにくいが、稽古を重ねて土俵で全力を尽くす姿勢が感動を呼ぶのは他のスポーツと同じ。

　技術や体力を身に付け、腕っ節を鍛えるのはもちろん、一瞬の立ち合いが明暗を分ける土俵では集中力、思い切りの良さがポイントになる。決して気迫で負けることのない一番を見てみたい。

　きょう千秋楽の徳勝龍は5敗に後退した明生との顔合わせ。相星で並ぶライバル大奄美は同部屋の臥牙丸が援護射撃。すんなり十両を制して県内ファンを喜ばせてほしい。(松)