国原譜
元興寺と聞くと、世界遺産にも登録された…
元興寺と聞くと、世界遺産にも登録された奈良市中院町の極楽堂(国宝)を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、奈良町には元興寺の名を冠する寺が他に2カ所ある。
芝新屋町の塔跡と西新屋町の小塔院だ。極楽堂も含め、いずれも1300年前に飛鳥の地から移ってきた古代寺院・元興寺の一部だった。
現在の奈良町界隈(かいわい)のほとんどを境内とした巨大な官寺だったが、中世以降は国の庇護(ひご)が薄れて廃れた。極楽堂は都市寺院として庶民の信仰を集めたものの、往時の面影はなかった。
20日、奈良町の3寺院と前身寺院の飛鳥寺(明日香村)が中心となり、元興寺創建1300年記念慶讃法要が営まれた。失われた金堂の本尊・弥勒仏の画像が掲げられ、ゆかりの寺院の僧侶が出仕した。
100年前の創建1200年には法要の記録がないという。極楽堂と小塔院が真言律宗、塔跡が華厳宗、飛鳥寺が真言宗豊山派と、現在は各寺の宗派も異なる。
今回は宗派や時代を超えた画期的な法要だったといえる。1300年の時を経て、「大元興寺」の新たな歴史が始まった。(法)
芝新屋町の塔跡と西新屋町の小塔院だ。極楽堂も含め、いずれも1300年前に飛鳥の地から移ってきた古代寺院・元興寺の一部だった。
現在の奈良町界隈(かいわい)のほとんどを境内とした巨大な官寺だったが、中世以降は国の庇護(ひご)が薄れて廃れた。極楽堂は都市寺院として庶民の信仰を集めたものの、往時の面影はなかった。
20日、奈良町の3寺院と前身寺院の飛鳥寺(明日香村)が中心となり、元興寺創建1300年記念慶讃法要が営まれた。失われた金堂の本尊・弥勒仏の画像が掲げられ、ゆかりの寺院の僧侶が出仕した。
100年前の創建1200年には法要の記録がないという。極楽堂と小塔院が真言律宗、塔跡が華厳宗、飛鳥寺が真言宗豊山派と、現在は各寺の宗派も異なる。
今回は宗派や時代を超えた画期的な法要だったといえる。1300年の時を経て、「大元興寺」の新たな歴史が始まった。(法)