国原譜

「柔良く剛を制す」なのか、それとも下克…

 「柔良く剛を制す」なのか、それとも下克上なのか。製作費300万円のインディーズ映画が、数十億円をかけた米ハリウッドの大作映画を興行成績で上回っているのはどう表現すればいいのか。

 その作品は上田慎一郎監督の「カメラを止めるな」。ほとんど無名の監督と俳優たちで作ったコメディータッチの娯楽作は、口コミで評判が広がり、全国的に大ヒットしている。

 ネタばれになるから詳しい筋は説明しないが、構成、脚本に妙味があり、「最後まで席を立つな、この映画は2度はじまる」がキャッチフレーズとなっている。

 開始からホラー作品シーンが連続するので、嫌になって途中で帰る人もあるらしい。それらのシーンが絶妙な伏線となっているので、これから観賞する人はぜひ最後まで見てほしい。

 この映画は低予算でも創意工夫と情熱があれば秀作を生み出すことのできる好例といえるのでは。映画づくりを志す若い人たちの励みになるのではないか。

 20日から「なら国際映画祭」が開幕する。国内外の映画人の中から新しい才能を発見できるかどうかが楽しみだ。(栄)

 

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