国原譜

奈良に向かう通勤電車で外国人観光客を見…

 奈良に向かう通勤電車で外国人観光客を見掛けなくなった―。そんな話を聞いたと思っていたら、大阪城天守閣の入館者数が大きく落ち込んでいるという。

 台風21号の通過から最初の週末となった8、9日は、いずれも前年平均のほぼ半分。年間入館者数が3年続けて過去最高を更新していただけに、関係者のショックも大きいようだ。

 高波で浸水した関西空港は、今も発着便数の大幅減が続いている。台風からすでに1週間が過ぎたが、関西の空の玄関口が本来の機能を取り戻すには、まだ時間がかかる。

 11月には7年後の万博開催地を決める国際投票が控えるだけに、地震、台風と天災続きの影響を懸念する声も出始めた。

 台風は毎年やってくる。大切なのは教訓を生かして防災力を高めることで、今回の台風でも、第2室戸台風級を想定して防潮機能を高めた地域は高潮の被害がなかったという。

 被害の大きさはその後の対策次第で備えの強さを表す。「あの被害があったから安心」。海外からの観光客にそう思ってもらえるよう、大阪でも県内でも、備えの議論を深めてほしい。(増)

 

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