国原譜

かけだしの運動記者の頃、全国高校野球の…

 かけだしの運動記者の頃、全国高校野球の県大会を取材して衝撃を受けた光景があった。試合の重要な場面で失策した選手をゲーム終了後、監督が罵倒したのだ。

 「おまえのせいで甲子園行けなかったやないか。(ナイン)みんなに土下座して謝れ」。今の時代の表現ならパワハラに間違いない。

 目の前で「不祥事」が起こっていながら、記事にできなかった後悔の念がいまだにある。筆者を含めて世間一般が「言葉の暴力」への認識が甘かったといわざるを得ない。

 明らかに間違っていることでも、指導者や先輩に対しては絶対服従しなければならない体育系クラブの悪しき伝統。旧日本軍隊の悪いところを継承しているといってもいいのではないか。

 レスリング、ボクシング、体操など今日本のスポーツ団体でパワハラ問題がとりざたされている。過去の膿(うみ)を出し切って、スポーツ界が健康体になるいい機会だろう。

 個人個人の特性を生かした科学的トレーニングで鍛え、相手の力を分析して戦略、戦術を立て、勝利を手にする。これからのスポーツ界の理想ではないか。(栄)

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