地域別男女の格差

国原譜

西日本豪雨で大被害に遭った岡山県倉敷市…

 西日本豪雨で大被害に遭った岡山県倉敷市真備町(まびちょう)。古代のわが県と縁の深い、吉備真備(きびのまきび)ゆかりの地だ。

 新聞やテレビのニュースなどで真備町のことを知り、吉備真備を連想した県民も多いだろう。地名が「まび」で名前の方が「まきび」なのはどうして、とも思ったのでは。

 吉備真備は「造東大寺長官」も務め、70歳を超えても朝廷に仕えた。学者にして文章家。とはいっても当時は漢文の時代だから、現在の私たちが読むのは相当苦労する。

 その文章の一つに「乞骸骨表」がある。岩波書店版の日本思想大系「古代政治社会思想」に収められている短文だ。古代の公職辞表の最古といい、今も公職辞表の模範とされる。

 要するに、老いと病気で公職に耐えられなくなった。辞職したいのでお許しください、ということだ。具体的には記さず、「骸骨を乞う」という言い方に思いを込めた。

 奈良教育大学の敷地内に真備の墓と伝える「吉備塚」もある。真備ゆかりの地の人たちが災害であえいでいる中、真備ゆかりのわが県から支援の輪を広げていけないものか。(北)

 

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