史上初となる米朝首脳会談の日を迎えた。歴史的な日になるのかどうか、核の脅威にさらされてきた日本はもとより、世界が注目している。

　就任以来、その発言が世界を揺さぶってきたトランプ大統領と、強行に核開発を進めてきた北朝鮮の金正恩委員長という両者の性格から、不安視する声も大きい。

　会談では、北朝鮮の非核化が最大の焦点になるが、どこまで踏み込んだものになるのか。単なる決意表明だけでは、トランプ大統領は決裂の意思を示している。

　核兵器のない北朝鮮は、単なる一小国に過ぎない。核があるから米国も相手にするわけだから、非核化の決断は国の存続にも関係するものだ。だから歴史的な会談になる。

　このほか休戦状態が続く朝鮮戦争の終結や、拉致問題を含む人権問題など、北朝鮮にとっては革命的ともいえる話し合いとなる。朝鮮半島と日本の関係を思えば成功してほしいと思う。

　飛鳥、奈良時代に、半島から人も文物も大量に渡ってきた。日本の国の形も、半島文化の影響を受けている。若き金委員長の英断を期待するばかりだ。(治)