国原譜

テレビや映画で忍者が潜み、逃亡者がかく…

 テレビや映画で忍者が潜み、逃亡者がかくまわれる屋根裏。その言葉を聞くと、なんとなくワクワクした気持ちになる。そんな屋根裏を「探検」する催しが16日から、国宝の元興寺禅室で開かれる。

 元興寺の禅室は日本初の本格的寺院・法興寺の建物を平城遷都に伴い、飛鳥から移建。現役建物では最古となる飛鳥時代の部材が今も残る。

 催しではヘルメットをかぶり、懐中電灯を手に屋根裏を探検。歴史の証人といえるさまざまな時代の部材を間近かで見られるほか、「行基葺(ふ)き」の瓦屋根も裏側から観察できる。

 戦中の解体修理で補強された部材には戦闘機の落書きも。当時の職人が仕事の合間にいたずら書きしたらしい。

 富士山とみられる山を背景にフロートを付けた水上戦闘機が飛ぶ姿を描いた、落書きとは思えない出来栄え。元・元興寺文化財研究所長で戦争体験者だった故・坪井清足さんは細部まで描かれた絵を見て、「○○型やなあ」とすぐ分かったという。

 屋根裏探検は同寺創建1300年を記念して8年ぶりに開催。次はいつ開かれるか分からず貴重な機会だ。(法)

 

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