日中交流イベントに意欲 高岸明・中国外文局総編集長ら
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中国最大の外国向け総合広報機関である「中国外文局」の高岸明(こうがんめい)総編集長を団長とする一行が12日、奈良市の奈良新聞社を表敬訪問し、田中篤則社長らと歓談した。
范大祺(はんだいき)当代中国・世界研究院副院長、于文(うぶん)同局アジア広報センター副主任、閻震(えんしん)同局国際協力部処長、呉亦為(ごえきい)同局アジア太平洋広報センター国際協力部副主任、呉文欽(ごぶんきん)同センター東京支局長が同行。
一行は、奈良県で日中の文化的交流イベントを開催する場合の協力体制などについて打診、また奈良新聞が紙媒体からウェブに力を入れ始めた経緯などについて質問した。
高総編集長は「中国人最大の観光目的地は奈良。来年の大阪万博では、中国政府とわれわれがイベントを行うが、別時期も含め、奈良で歴史文化交流を目的としたイベントを、チャンスがあれば一緒に企画して開催したい」と意欲を示した。
また、「中国には唐時代の建築物はわずか3点しか残っていない」といい、奈良の古い建築物の保護や保存について大変関心があると話した。
田中社長は「県内のイベント実施もわれわれの業務のひとつであり、県の各機関の協力も得て企画を立てられると思う」とイベントの協力体制を組むことに前向きの姿勢を示した。
中国外文局は1949(昭和24)年創立、中国を紹介する日本語月刊誌『人民中国』を出版するほか、世界30カ国の他言語月刊誌を出版。また「東京―北京フォーラム」(第20回は今年12月3日~5日)の主催者でもあり、日中民間交流の柱の一つとなっている。
一行はこのあと、東大寺(奈良市)などを見学、東京に戻って14日に帰国予定。