奈良大文字送り火、5年ぶり通常開催へ 慰霊祭が一般参列可に
慰霊祭が一般参列可に
毎年8月15日の終戦記念日に実施される「奈良大文字送り火」(奈良大文字保存会主催=近東宏佳会長)が5年ぶりに通常開催され、一般参列も可能になる。近年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一部規模を縮小して開催していた。
同行事は戦没者慰霊のため昭和35(1960)年に始まった。現在では世界平和を祈る行事として親しまれ、今回で65回目。
昨年までは新型コロナ感染拡大防止のため送り火の火床の数を減らし、慰霊祭を縮小するなどの対策を行っていた。ただ、今年も近年の人手不足と山の斜面での点火作業の安全面を考え、送り火の火床は昨年と同じ規模で行われる。
高円山点火前に春日大社境内飛火野で行われる慰霊祭は、春日大社の神官による神式と約30カ寺の寺院の僧侶による仏式の慰霊祭が同じ祭壇で行われる全国的に珍しい形式。今年は5年ぶりに一般参列者も焼香でき、大文字うちわの協賛受付、護摩木受付、協賛参列席も設置される。点火時には県立奈良高校吹奏楽団OB、OGによる演奏もある。
慰霊祭は午後6時50分から。高円山への点火は午後8時。
関連企画として県立高円高校生による「奈良大文字送り火イラスト原画展」を平城京いざない館(奈良市二条大路南3丁目)で送り火当日まで開催中。
問い合わせは、同保存会(奈良市観光協会内)、電話0742(30)0230。